ボクシングのアマチュア日本一を決める全日本選手権(昨年12月、東京都)クルーザー級で優勝を遂げた苫小牧出身の大野毅人(22)=日体大4年=が7日、道ボクシング連盟理事の安川浩樹さんと共に苫小牧市役所を訪れ、金澤俊市長に快挙を報告した。卒業後、苫小牧で就職予定の大野は「大学で培った経験やスキルを苫小牧に還元したい」と語った。
同階級は各地区ブロックの代表選手4人によるトーナメント制で行われ、大野は決勝で王師(中央大3年)を4―1の判定勝ちで下して本道の選手として10年ぶりの全日本チャンピオンに輝いた。
勇払小に通っていた頃は空手の全国大会「カラテ甲子園」ジュニア部門で3連覇を成し遂げるなどならした。速いハンドスピードで間合いを詰めて手数を多く放つ”パンチの回転力”の資質は武道経験によって養われた。競技者として空手道の経験がある市長は苫小牧っ子アマ王者に質問を重ね、「ボクシングジムに通いたいと今も思ってる」と笑顔で語った。
ボクシングを始めたのは勇払中に通っていた頃で父暁史さんと千歳のボクシングジムに通うなどして、二人三脚でトレーニングを続けてきた。恵庭南高に進学後、高校総体や国体で何度も入賞を果たしたものの優勝経験はなかった。
今回、全日本のタイトルを手にしたことで悲願の初優勝を遂げ、2028年ロサンゼルス五輪の代表候補に選ばれる見込みとなった大野だが、「まだ自分の実力では(五輪に)届くレベルではない」と謙虚に語る。市長は「オリンピックに出たら市としても全力で応援する。頑張って」と激励した。
「日体大という日本一のスポーツの大学で学んでこれた」と有意義な学生時代を振り返った大野。学業を終えた後は市内でスポーツ関連の事業を展開する企業に就職する予定。「ボクシングに限らず、キックボクシングや総合格闘技に挑戦してみたい」と話している。