東洋大が全日本選手権で、大学チームとしては苫小牧開催の2010年大会の中央大以来となる、ベスト4進出を成し遂げた。10年に快進撃した中央大に敗れたのは、くしくも東洋大の鈴木貴人監督(苫小牧出身)が当時在籍していた栃木日光アイスバックスだった。鈴木監督は「プロチームにすれば負けられないプレッシャーやスピードなど、やりにくさを感じることもある。東洋大は、良いメンタリティーで戦うことができた」と振り返る。
東洋大は第1ピリオド(P)に先制するも、優位に試合を運ぶグリッツが第2Pに3点を挙げ追う展開に。第3P、2倍以上のシュートを受けながらもGK田村を中心に守備を固め、逆に同点に追いついた。3on3の延長でも決着は付かず、勝負の行方はGWSへ。GW田村が4人のうち3本を防ぐ好セーブを見せたほか、シューターもDF髙橋=駒大苫小牧出=など3人全員が成功し、勝利をつかみ取った。
前線からの積極的なプレッシャーを持ち味とする東洋大。鈴木監督は「スタートから選手たちがゲームプランを実行してくれた」と振り返り、「2Pの3失点で落ち込みも見られたが、気持ちを切り替えて集中できた」と分析した。GK田村については「昨季のインカレでは、バックアップGKにも入っていなかったので、今季に懸ける思いは強かったと思う。関東大学リーグでも出番は多かったが、出場を重ねるたびに成長が見られたし、今日の功績は素晴らしかった」と評価した。
また、15大会ぶりの学生チーム4強入りについては「大会ベスト4は目標に掲げてきた場所。アジアリーグのチームを撃破できたことは選手たちにとっても、日本のアイスホッケー界にとっても大きなこと」と話した。