さっぽろ雪まつり実行委員会(柴田龍会長)は16日、今年度のさっぽろ雪まつりの大雪像製作を断念し規模を縮小して開催することを決めた。さっぽろオータムフェスト実行委員会(同)もさっぽろオータムフェストを中止して代替イベントを実施する方針を明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で関係者との調整がつかず、いずれも従来通りの開催は困難と判断した。
両実行委が同日、全会一致で書面議決した。いずれのイベントも6月中に開催の可否を判断する必要があったという。
さっぽろ雪まつりは従来、1~2月にかけ、大通(中央区)、すすきの(同)、コミュニティードームつどーむ(東区)の3会場で催されている。特に大通会場では、世界的に知名度の高い建造物や人気アニメのキャラクターなどを模した大氷雪像などを設置。国際雪像コンテストなども行われ、昨季は202万人以上が来場している。
実行委によると、今回は新型コロナの感染拡大を受け、海外の関係機関と製作準備に取り掛かれず、スポンサーとなる民間企業からの協力も見込めないことから大氷雪像の製作を断念。今後は、中小規模の雪像を設置してイベントを開く方向で検討する。新型コロナの感染状況を見据えながら具体的なスケジュールや宣伝方法を含む詳細を詰めていく方針だ。
両実行委の今井啓二事務局長は「脈々と続く冬の風物詩の一つであるが、準備に支障があったため大雪像の製作は断念する。中小の雪像を展示して原点に返り、開催をつなげていきたい」とし、「感染防止策を万全に講じて安心安全に十分配慮し、実行委の意見を踏まえながら準備したい」と述べた。
また、さっぽろオータムフェストは、道内各地の名産、特産料理を提供する店舗が交代で出店し、身近でご当地料理が味わえる人気イベント。毎年9~10月に大通公園を会場に開かれ、昨年は234万人が来場し、雪まつりと並ぶ一大イベントとなっている。
今年は全道各地との出店調整が困難と判断し、事実上の中止とした。実行委は、インターネットで道内の食べ物の魅力を発信するなど新たな形態のイベント開催を検討していく。