生活困窮者に対する食品提供などに取り組む苫小牧の団体「フードバンクとまこまい」が初めて実施したひとり親世帯への支援活動で、30世帯以上が集まる大きな反響があった。新型コロナウイルスの流行で社会活動が停滞し、影響を受けたひとり親世帯に特化して実施。同団体は潜在的な需要がまだあるとみて今後も継続する方針だ。
市内光洋町で14日に行われた活動では、農林水産省を通じて全国の食品メーカーから提供されたもの以外に、市内外の小売店や個人から寄せられた食品などを1人分ずつに仕分け。午前11時から受け付けを始めたところ、31世帯90人が訪れ、レトルト食品や缶詰、菓子、調味料など善意が詰まった品々を受け取った。
この日はスタッフ手作りのカレーライスや市民から寄贈された衣類、文房具なども提供。小学5年生の男児を育てる弥生町の女性(45)は「食品などを頂けるのはもちろんだけど、困ったときに頼れる場所があることが本当に助かる」と語った。
同団体事務局の松崎愛さんは、仕事や育児、家事をすべてこなすひとり親の大変さを指摘し「子育てを頑張っているお父さん、お母さんを地域で支える仕組みをつくるため、多くの支援と協力をお願いしたい」と話している。