鈴木直道知事は5日の定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染状況について、「札幌では連日、感染が確認されているが一定程度、トレンド(動向)としては落ち着いてきている」と述べ、この状態が続けば休業要請を解除しながらも18日まで「慎重な対応」を求めている他都府県との不要不急の往来などを、19日以降は緩和する方針を示した。
道は1日から休業要請を全面解除した。ただ、18日までは▽接待を伴う飲食店とライブハウスなどの利用▽他府県との不要不急の往来▽札幌との不要不急の往来―の3点について、道民に「慎重な対応」を求めている。ここにきて新規感染者が減少傾向にあることを踏まえ、知事は「この点が大きく崩れることがなければ、北海道全体で皆さんに呼び掛けをしていくという段階から、(19日以降は)違った形に移行することも考えられる」と述べた。
また、知事は感染の有無を調べるPCR検査に関し、「5日から唾液によるPCR検査を実施することが可能になった」と発表。これにより医療従事者の感染リスクの減少や検査を受ける側の負担も減らすことができるなどの利点を説明。「従来の方法に加えて、唾液による検査の効果的な組み合わせにより、検査体制のさらなる強化を図っていきたい」との姿勢を示した。
休業要請に応じた事業者に対する支援金の「第1弾」の給付状況は約2万3000件の申請に対し、5日現在で3131件と遅れ気味で推移していることについては、「週当たり5000件の支給を目指し、体制を強化して審査を進めている」と説明。原因として申請側の書類の不備などが挙げられているが、「いかに負担が少ない中で追加の資料確認を行っていくか。緊急状態なので柔軟に検討し、できるだけ早く支援金を届ける取り組みを進めたい」と述べ、より迅速に作業を進める考えを示した。