新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う道の休業要請が全面解除された1日、苫小牧市内では通勤通学でJR苫小牧駅を利用する人の姿が目立った。多くの通勤通学客らは感染予防のためマスク姿で行き来し、通勤時間帯をずらすなど密を避ける人も。依然として警戒は必要だが、活気のある市民生活を期待する声が多く上がった。
JR苫小牧駅では早朝から、市内や札幌および室蘭方面からの通勤客らが足早に改札を通り過ぎ、勤務先に向かった。
苫小牧市糸井の会社員、小堀将宏さん(32)は解除初日の車内について「まだ、それほど多くはないが、乗客が戻ってきた印象」と話す。勤務先では今月中、出社時刻を午前と午後に分散させる対応を取るといい、「解除はされたけれどまだ油断はできない。通勤時も人混みはなるべく避けたい」と話す。
札幌から通勤しているという男性会社員(39)は「休業要請の期間中は出先への直行や自宅への直帰が認められたり、テレワークで仕事をしたりした。徐々に日常に戻ると思うけど、以前のような活気が戻るかどうかは心配」と率直な思いを語る。
登別市のパート従業員、新藤真知子さん(71)は「今朝の列車内は高校生などがたくさんいた。久々に友達と会えたのか笑顔も多かった気がする。私も友人と気軽に外食できる日が早く来てほしいと願っている」と表情をほころばせた。
通院のため夫婦で苫小牧に来た白老町の森河茂幸さん(90)は「最近になって電車の中もにぎわってきた。これからのことは予想もつかないが、ただ平穏を祈るだけ」と静かに語った。
都市間高速バスについて、苫小牧―札幌間で定期便を運行する道南バスは「通勤時間帯の乗車率は50%ぐらい。先週から徐々に戻りつつある」と期待を寄せている。