鈴木直道知事は29日、記者会見し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月20日から継続している休業要請を「6月1日午前0時から、すべて解除する」と正式に発表した。道が休業要請解除の目安とする「5月末までに目指す姿」の3指標を、20日以降10日連続でクリアしたことなどから判断した。6月以降は道がビジネスや社会生活の継続へ独自に定めた「新北海道スタイル」の実践を事業者と道民に求め、「感染拡大防止と社会経済活動を両立させる」と語った。
道の休業要請は16日と、緊急事態宣言が解除された25日に段階的に緩和されている。ただ、接待を伴う飲食店などは全道一律で、新規感染者が集中する石狩管内ではパチンコ店や映画館などを対象に、31日まで要請を継続している。
これらの業種・地域についても6月1日から、「新北海道スタイル」の実践と業界団体がそれぞれ策定しているガイドラインの順守を条件に要請を解除するが、知事は▽接待を伴う飲食店とライブハウスなどの利用▽他府県との不要不急の往来▽札幌との不要不急の往来―について、18日までは「慎重な対応」を求めた。
開催制限しているイベントに関しても、6月以降は段階的に緩和することを発表。ステップ1(1~18日)、ステップ2(19~7月9日)、ステップ3(7月10~31日)の3段階を設定。ステップ1では「屋内イベントは100人以下(収容率50%)、屋外イベントは200人以下(十分な間隔)」規模まで開催を認め、段階的に拡大していく。
また、感染症のまん延防止に向け、新たに道独自の「警戒ステージ」も設定。新規感染者の増加などに応じて「ステージ1」(振興局が新北海道スタイルの徹底呼び掛け)、「ステージ2」(知事が外出の抑制など注意喚起)、「ステージ3」(知事が外出の自粛など要請)の三つのステージを設け、感染拡大の第2波の収束と第3波に備える。
このほか、施設を利用する際にQRコードを読み込んで、Eメールアドレスを登録すると、同じ施設で感染者が発生した場合に注意喚起のメールが届く「北海道コロナ通知システム」を29日から導入したことも説明。知事は「北海道博物館などで先行的に運用を開始した」と述べ、導入施設を順次拡大していく構えだ。
感染拡大の第2波に苦しむ本道の現状について知事は「まだ第2波が確実に収束していない。ここをしっかり抑え込んで、第3波以降に備えることが大事」と強調。「検査体制(今月末までに1日当たり最大1400人分)と医療提供体制(現在700床確保。1500床に拡大検討)をさらに充実させ、新型コロナウイルスに強い社会、北海道をつくっていく」と述べた。