新型コロナウイルス感染拡大を防止する政府の緊急事態宣言期間延長に伴って苫小牧市内の小中高校の臨時休校が5月31日まで延び、4月中旬から停止している各種スポーツの部活動もさらに停滞を余儀なくされた。全国中学校体育大会、高校総合体育大会と各種地方予選の中止も相次ぐ中、各部活の指導者らが生徒たちの心情を案じ、情勢が落ち着いた後の代替大会開催を切実に望んでいる。
今春創部したばかりの駒大苫小牧高女子硬式野球部は、4月17日の全体練習を最後に活動を自粛している。スポーツ好適の季節が到来しても練習さえできない異例な日々が続く。茶木圭介監督は「本来なら練習試合も入ってくるころだが、現実は遠のくばかり。選手たちが目標を見失ってしまう」と嘆く。
同部には学校寮で暮らす道外出身者6人を含め、1年生ばかりの24人が在籍する。佐藤千尋部長が無料通信アプリ「LINE」を使って日々のトレーニングメニューを伝えるなど、部員のサポートに努力を傾けてきた。「早くグラウンドで伸び伸びと練習させてあげたい」と茶木監督は言う。
苫小牧南高卓球部の小玉恭史顧問も、部のグループLINE上で技量向上に役立つ動画を紹介。卓球台やラケット、ボールを使った本格的な練習ができない分、自宅内で可能な体幹強化や柔軟運動、イメージトレーニングの励行を呼び掛けているものの、「これだけ生徒と離れると不安でいっぱい」と心配する。
昨年12月の道選抜大会団体戦に3年連続でアベック出場を果たすなど、公立校ながら男女共に今年度の戦力は充実していた。小玉顧問は「特に3年生にとってはこれ以上ないダメージ」と肩を落とす。
部員たちの士気はいつになく高かったが、新型コロナまん延による出場予定大会の相次ぐ中止に長期の活動停止が続く。それぞれに対し、「体力維持はもちろん、気持ちをなんとか切り替えて勉強にも力を入れてほしい」と願う。
苫小牧明倫中女子バスケットボール部の石動祐介監督は「くじけないで、今できることを一生懸命頑張ってほしい」と所属メンバーを鼓舞する。今年度は4月10日に1年生2人を加えた13人でスタートを切った部活動が、わずか1週間で再び停滞してしまった。
集大成の年を迎えた3年生を中心に不安が広がっているとおもんぱかる。公式戦の中止が相次いではいるが、この情勢が収まり次第、何らかの代替大会開催の検討がされないか期待を募らせている。「努力を重ねてきた生徒たちの思いを救ってもらえるような場面を、なんとかつくってほしい」と思いを語った。