北京冬季五輪出場決まり挑戦へ-女子IH

  • アイスホッケー, スポーツ
  • 2020年5月7日
メダル獲得に向けてそれぞれの課題に向き合うスマイルジャパンの代表候補合宿参加メンバー=2月、苫小牧のダイナックス沼ノ端アイスアリーナ
メダル獲得に向けてそれぞれの課題に向き合うスマイルジャパンの代表候補合宿参加メンバー=2月、苫小牧のダイナックス沼ノ端アイスアリーナ

 女子アイスホッケー日本代表のスマイルジャパンは4月24日、国際アイスホッケー連盟(IIHF)の最新世界ランキングの発表を受け、上位6位に与えられる2022年北京冬季五輪の出場権を獲得した。18年平昌冬季五輪代表で苫小牧出身の高涼風(23)=道路建設ペリグリン=は「全体練習ができない状況でも、自主練習で向上心を持ち続ける」。2年先に訪れる大一番をにらんだ前向きな心境を語った。

 前回の韓国・平昌冬季五輪は、苫小牧で17年3月に開催された最終予選でドイツ、フランス、オーストリアという欧州の強国相手に3戦全勝し、五輪行きを決めた。今年は、新型コロナウイルスの影響が全世界に広がり、カナダのノバスコシア州で行われる予定だった世界選手権は中止。付与されたランキングは昨年の同選手権後と変わらず、「シード権」で予選抜きの五輪切符を3大会連続でつかみとり、代表入りを目指す選手らに喜びが広がった。

 同じく苫小牧出身の鈴木世奈(28)=SEIBUプリンセスラビッツ=は五輪切符が懸かっていた今年の世界選手権中止に驚きつつも「今までの積み重ねが出場権獲得につながったのは、オリンピックに向けて大きな弾みになると感じている」。高は舞い込んだ吉報について「周りの方々に声を掛けられて実感した。素直にうれしい気持ち」と語った。

 代表を率いる飯塚祐司監督も五輪出場権獲得について「過去3年の成績が反映される世界ランキングシステムで、これまでの取り組みの成果であると前向きに考えたい」と談話を出し、「チームのレベルアップに妥協なくチャレンジし、五輪本番へ挑む」と表明。スマイルジャパンの世界ランキングは07年10位、14年8位、今回の19~20年6位と実力上昇基調にある。

 今年の世界ランキングは1位米国、2位カナダの傑出した両国と3位フィンランド、4位ロシア、5位スイスの順になった。上位陣に土をつけ、予選を経て五輪出場してくる下位国からも着実に白星を奪うには攻撃力やスピードなどクリアすべき課題があり、悲願のメダル獲得にはいっそうの成長が必要だ。

 現在、新型コロナウイルスの影響で全体練習をはじめ、対外試合などの強化スケジュールは先行き不透明な状況。鈴木は自宅の中で自重や軽めのウエート器具を使ったトレーニングに専心。五輪に向けて「成長しなければいけない部分を考えて取り組んでいく」と話す。

 試練が訪れている中で五輪アスリートが努力している。鈴木は「世界中が大変で苦しい時ですが、また笑顔でスポーツをしたり、見たりする日が来ます。その時にアイスホッケーを見て、希望や元気が湧いてくるプレーができるよう私も今できることをしていきたいと思う」と張り切る。高も「平昌では先輩たちについて行くだけだったので、北京では、チームの勝利に貢献して、活躍できるように頑張りたい。メダル獲得に向けて精いっぱい頑張る」と力を込めた。

 鈴木世奈

 高涼風

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