全日本軟式野球連盟はこのほど、高円宮賜杯第40回全日本学童軟式野球大会(8月17~23日、新潟県)を新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止にすることを決めた。南・北海道大会(7月4~6日、函館市など)の開催可否の結論は現時点で下されていないが、他の大会も含めた各支部予選中止が広まりつつあり、少年野球にも大きな影響が出てきそうだ。
「小学生の甲子園」とも呼ばれる同大会は全国各地から予選を勝ち抜いてきた53チームが出場予定だった。例年は東京・明治神宮野球場で開催されていたが、今大会は東京五輪開催の関係で会場が変更になっていた。40年にわたる大会史上、中止になるのは初めて。
最終学年の6年生の心中は複雑だ。沼ノ端スポーツ少年団の熊原皆翔(拓進小)は「こういった状況なので仕方ないと思っている。家でできることをやっていくしかない」と語った。
道内の支部大会では20日までに札幌、函館の全日本学童予選の中止が決定した。主管の道軟式野球連盟苫小牧支部は、今月末までに開催可否が決まる南・大会の状況をみて判断するとしている。
市内の少年野球チームは、17日から5月6日まで再び全体練習を停止している。
昨年南・大会に出場した、拓勇ファイターズの山村寛文監督は「チームとしても大きな目標を失って大変な状況なのは確か。モチベーションを保ちながら万全な状態で試合ができるまで待つしかない」と話す。3月下旬ごろからシーズン開幕に向けた練習を再開していた。戸惑いもあったが、少年団員には素振りや筋力トレーニングなど自宅でできることを地道に行うよう指示している。
グラウンドで存分にプレーできる時が訪れるのを待ち望む各チームの6年生団員たち。北光ファイターズの春日十輝(大成小)は「自分のできることを精いっぱいやっていき、大会ができるようになったら優勝できるように頑張りたい」とし、拓勇ファイターズの金澤優佑(拓進小)は「十分に試合ができない状況だけど、小学校生活最後の年なので出場できる試合ではチーム一丸となって戦っていきたい」と前を向いた。