新型コロナウイルスの感染拡大を受け、白老町や登別市も庁舎で対策の取り組みを進めている。来庁者と職員が接する窓口カウンターに飛沫(ひまつ)感染を防止する透明ビニールシートの間仕切りを設置。職員の机の間隔を離したり、時差出勤も導入したりと、密閉・密集・密接の「3密」回避に本腰を入れ始めた。
白老町では20日、役場庁舎1階の町民課、税務課などの窓口12カ所に間仕切りを設置した。高さ90センチ幅65センチの木枠に透明シートを張り付けた職員の手作りで、今後、2階の各課窓口にも取り付ける。
職員同士の密接や密集を極力減らすため、各課事務スペースの机の間隔を離して空間を確保。また、22日から企画課や経済振興課など一部の課で時差出勤を開始し、今後拡大していく。
時差出勤は、通常の勤務開始時刻の午前8時半のほか、同7時、同11時の2パターンを導入。開庁時間は午前8時半~午後5時15分の通常通りだが、時差勤務で行政サービスを維持しながら感染防止に取り組む。5月末まで続け、状況を見ながら延長するかどうか判断する。道内でも感染者が再び続出している事態を受けて、町の担当者は「できる限りの対策を打ちたい」と話す。
登別市は、市民の新型コロナ感染が確認された翌日の19日午前、市役所の総合案内や福祉、納税、各種証明の窓口に手作りの透明ビニールシート幕を急きょ設置。窓口に並ぶ市民の密接を避けるため、2メートル間隔の立ち位置表示も床に貼った。さらに来庁者用ソファにも、離れて座るよう案内するボードを置いた。
20日からは職員の時差出勤を導入。業務開始時刻を午前7時、同9時、同11時の3パターンとした。庁舎内の会議室などを利用した分散勤務も取り入れるなど対策を講じている。時差出勤は、政府の緊急事態宣言の期限となる5月6日まで続ける予定だが、「継続するかどうかは状況を見て判断したい」と市の担当者。「庁舎での感染を防ぐ取り組みを通じ、市民に安心してもらえる環境をつくりたい」としている。