白老町は、JR白老駅などを起点にした町内循環の「交流促進バス」の運行を当初予定の今月24日から5月下旬へ延期する意向だ。観光客の町内移動を支える交通手段として民族共生象徴空間(ウポポイ)開業に合わせて開始する計画だったが、新型コロナウイルス対策でウポポイの開業が5月29日にずれ込んだため、町はバス運行も同日に始めたい考えだ。
交流促進バスは、白老駅を起点にウポポイや駅北観光商業ゾーン、大町商店街などをつなぐ「市街地循環便」20便と、ウポポイを起点に社台地区などの飲食店や観光スポットの訪問に便利な「社台・市街地便」6便の計1日26便。町は「ポンチョ」(乗車定員36人)と呼ばれる立ち乗りバス2台を導入し、白老観光バスに業務委託してウポポイ開業日の24日に運行を始める予定だった。
JRなどを利用してウポポイに訪れる観光客の2次交通手段を確保し、地域の観光・経済振興につなげる事業として準備していたものの、7日に政府がウポポイ開業日を5月29日へ遅らせると発表。これを受けて町は見直しに迫られ、運行開始を同日へずらす意向を固めた。
併せて、町が線路をまたぐ形で建設した白老駅併設自由通路の臨時改札口の運用も5月へ延期する方針だ。駅ホームと自由通路を直接行き来できるようにするための臨時改札口は、政府主催で今月18日に予定されていたウポポイ開園記念式典に合わせて運用を開始する計画だった。式典が新型コロナの拡散防止で5月23日に延期されたため、町は臨時改札口の運用も同日へ先送りする方向で調整を進める考えだ。
さらにウポポイ開業に合わせ、駅北観光商業ゾーンで始める計画だったロングランイベントのスタートも遅らせる。今月24日から8月上旬までの毎週土・日曜日と祝日、町内外の事業者や団体の協力の下、飲食・物販などのイベントを展開する予定だったが、町は「開始日や期間、内容の検討を進めたい」としている。