春季北海道高校野球大会中止 支部大会は開催へ 1週繰り下げ無観客試合

  • スポーツ, 野球
  • 2020年4月4日

 北海道高校野球連盟は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して5月25日に札幌円山球場で開幕予定だった春季北海道大会の中止を発表した。同月上旬から全道10支部で順次開催される支部大会は各1週間程度日程を繰り下げる方針。今後のウイルス情勢次第では支部大会の中止にも含みを持たせるが、室蘭支部各校は判断を冷静に受け止めながら「球春」到来に備える構えだ。

 支部大会は無観客を想定して実施する方向で調整しており、同連盟は「3年生の残り少ない公式戦を支部大会だけでもやらせてあげたい」としている。

 28年ぶりの室蘭支部対決となった昨年の春季道大会で2年ぶり6度目の栄冠をつかんだ駒大苫小牧。2006―07年の第45、46回大会以来の連覇が懸かっていた。「貴重な実戦機会がなくなるのは寂しいけれど、一日でも早くこの事態が収束してほしい気持ちしかない」と佐々木孝介監督(33)は話す。

 チームは今月3日から練習を再開させたばかりだ。2、3年生の「46人全員が元気な姿を見せてくれた」と喜ぶ。新型コロナの影響で道外遠征や各種練習試合も軒並み中止。トレーニングに苦心する日々が続くが、「こういうときこそ結束力が問われてくる。前向きにやっていきたい」と話す。

 昨秋の道大会に出場を果たした全寮制の鵡川は、2、3年生25人が2月28日から一時帰省。今月5日に再集合する予定だ。練習再開は8日以降になる見通しだが、「どの学校も条件は一緒。焦りはない」と鬼海将一監督(35)は冷静だ。

 活動休止中は選手、指導者が無料通信アプリの「LINE(ライン)」でグループをつくり、連絡を密に取り合った。選手同士で盛んに野球談議をする様子に触れて、鬼海監督は「確かに練習は満足にできないが、また違った形で成長していると思う。再会の日が楽しみ」と話した。

 昨年の春季全道大会で23年ぶりに決勝進出した苫小牧工業は古豪チームとして捲土(けんど)重来を目指して本格的始動へ構えている。

 2、3年生24人は現在、自主練習中。平山良行監督(45)は「先が見えない中でも前を向いている。3月いっぱい部活ができなかったので、すごく生き生きと野球に取り組もうとしている」と言う。

 春の全道大会中止に一定の落胆を予想するものの、「支部大会があって、その先には夏の大会があると思い、意義を見いだしていかなければならない」との考えだ。

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