厚真町は、畜産業や肉製品の製造・加工、販売などを展開する合同会社「GOOD GOOD(グッドグッド)」=本社大阪市=と高丘地区にある大規模開発跡地について4月1日付で賃貸契約を結ぶ方針を固めた。和牛の繁殖・肥育を中心に自社店舗やレストランでの料理提供、販売、乗馬体験などの構想を計画。事業が軌道に乗れば、地元への還元や地域活性化にも一役買うことが期待される。
高丘地区の大規模開発跡地をめぐっては以前、別の事業者がゴルフ場を造成して開業する予定だったが、2002年に経営難を理由に撤退を表明。町は12年に土地の寄付を受け、その後は動きがないまま管理だけを請け負い、利用方法について模索していた。
そうした中、18年にグッドグッドが牛の放牧事業などで活用したいと町に要請。町の考えと合致する点をはじめ、事業の将来性や実現性の期待が持てるため、自治会、農業関係者らの理解を得て協議を重ねた上で今回の契約に至った。跡地の総面積は山林、ゴルフ場としてすでに造成した部分などを含め約200ヘクタール。契約期間は22年で賃貸料は年間約58万円。
グッドグッドは大阪市に本社を構え、資本金は1億9400万円。生体を含む肉製品の製造や加工、輸出入のほか、飲食店や販売業務などを手掛ける。21~22年の2年間で試験的に牛を導入し、その後3年間で順次頭数を増やし、最終的には母牛、子牛合わせて200頭ほどを確保したい考え。上厚真地区に関連会社として「GOOD GOOD FARMS(グッドグッドファームズ)合同会社」を構え、準備を進めているほか、すでに熊本県阿蘇市でも同様の事業を展開しているという。
町産業経済課は地元との連携や経済の循環なども視野に入れており、「地元での調達も含めた運転や事業活動によって資金が町内で回ることで、現状と大きな差が出る。経済への波及効果が期待できる」と話している。