インターネットで白老町の魅力を紹介している個人ブログ「しらおいナビ」が人気を呼んでいる。飲食店や特産品、体験スポットなど白老に関するさまざまな生活・観光情報を掲載し、昨年5月の開設以降、閲覧件数が毎月伸び続けている。今では月に1万件以上を数えるようになり、ブログを運営する町内在住の大江智子さん(51)は「まちの活性化につながれば」と情報発信に励んでいる。
「しらおいナビ」は、町内のレストランやカフェ、居酒屋など飲食店、シイタケや虎杖浜たらこなどの特産品、陶芸や沢登りといった体験スポットを紹介。アイヌ文様の刺しゅう作品、白老産マリネなど地元ならではの土産品も載せている。
この他、コーヒー豆の自家焙煎(ばいせん)、ハンドメード雑貨作り、写真撮影など特技や専門分野を持つ町民の紹介記事、イベント情報、4月開業の民族共生象徴空間(ウポポイ)のPR記事も。ウポポイ関連では道内主要都市やフェリーターミナル、新千歳空港からのアクセス方法を詳しく伝えている。最近では戸田安彦町長へのインタビューを掲載した。
大江さんが「しらおいナビ」を始めたのは、飲食店情報サイトで知人のカフェがマイナスイメージで伝えられていることを知り、「正しい情報を地元から発信したい」と思ったのがきっかけ。自身のブログでそのカフェを紹介したところ、「店主にとても喜んでもらえ、白老のことをもっと伝えたいという気持ちになった」と話す。
町臨時職員として介護支援専門員(ケアマネジャー)の仕事に週3回携わっている傍ら、月に8~10本のブログ記事を作成。仕事の無い日はマイカーで町内を駆け巡り、ガソリン代など取材に掛かる費用は全て自分で賄っているが、「頑張ってねと応援してくれる人が増え、それがうれしくてやめられなくなった」と言う。
多彩な話題を盛り込んだブログは町内外の人の目に留まるようになり、閲覧件数は月を追うごとに増加。開設した昨年5月は約700件だったが、今年2月には約1万3800件と20倍に伸びた。
オホーツク管内美幌町出身の大江さんは、埼玉県内の看護専門学校で学び、国内外の医療機関で看護師として勤務。親が自宅を構えた白老町に2006年、愛知県岡崎市から移住した。自身にとって縁のなかった町だったが、「住んでみて白老の良さ、人の温かさに気付いた」と言い、町のためにとの思いも強めてブログを続けている。
人口減少の進展で町の将来を心配する町民の声が多い中で、大江さんは「ブログを見た町外の人が白老に興味を抱き、観光で足を運んだり、関係人口として町に関わってくれたりする動きも広がれば」と期待。開設から来月で1年を迎え、「地域の魅力をどんどん発信していきたい」と意気込む。