むかわ町は、胆振東部地震で損壊した胆振東部消防組合消防署鵡川支署の庁舎の移転新築工事に取り掛かる。町は2020年度に工事を開始、21年度末の完成を目指しており、場所は中心市街地の隣接地で調整中。総事業費は1億4400万円ほどを見込み、町は庁舎の移転新築に係る事業費として調査設計委託料、土地購入費など負担金として約3000万円を20年度予算で計上している。
駒場にある現庁舎は1980年に建設された2階鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は約845平方メートル。2018年9月の震災で基礎が破壊され、建物の一部で沈下などの被害が起きていた。昨年7月に策定された町の復興計画では22年度までに新たに建て直す考えだったが、総事業費の70%を国の緊急防災減災事業債を活用するため、20年度中に着工する必要があった。
町は現庁舎が海岸に近い津波浸水想定区域内に建っていることから、同区域外で移転先を調整中。町総務企画課は「これから実施設計などを消防と詰めていく。今の時代に沿った構造にしていきたい」と話している。
同町は、穂別支署の林野工作車の修繕や各分団に設置しているモーターサイレンの更新も行う。
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安平町は新年度、追分本町にある同組合安平支署追分出張所(鉄筋コンクリート造2階建て=延べ床面積736平方メートル)の耐震化工事を実施する。6月ごろに工事契約の指名競争入札を行った後に着工し、9月末に完了する予定だ。
追分出張所は80年に建設。同組合によると、胆振東部地震による大きな損傷はなかったが、昨年の耐震調査で耐震化が必要とされていた。耐震化工事は壁の一部補強や窓を改修する。
町は新年度の予算で負担金として、993万円を計上している。