厚真町は、「エゾシカ被害対策防止事業」と胆振東部地震で建物の修繕が不可能になったJAとまこまい広域の米保管倉庫を再建する「農産物集出荷貯蔵施設整備事業」、さらに「ハスカップ・地域ブランド化推進事業」を組み合わせた中山間地域所得向上計画を策定した。9日にあった町議会定例会でこれらを含む2019年度一般会計補正予算を提案し、原案通り可決、成立した。
町産業経済課によると、国の中山間地域所得向上事業を活用したハード面とソフト面を組み合わせた取り組み。鳥獣被害を防止することで米やカボチャ、ハスカップなどの生産量を増加させるほか、施設を整備することで販売、運搬のコストを削減する。さらに町の特産物でもあるハスカップの付加価値を高め、「厚真ブランド」の確立に向けた活動を展開する。成果目標として町は「販売額の10%以上の向上」を掲げている。
一連の事業は、年々増加傾向にあるエゾシカによる農作物被害を防ぐため、高丘、桜丘、朝日の各地区に金網柵、ワイヤメッシュ柵をそれぞれ設置。また、震災で被災した本町地区の米保管倉庫に代わる施設を上野地区のたんとうまいステーションなどがある一角に建設し、農家の営農継続と負担軽減を図る。ハスカップフェアなどPRイベントと、地理的表示保護制度(GI)登録に向けた成分分析も併せて行う。
これらの事業に対し、町はエゾシカ被害防止対策に1021万円、農産物集荷貯蔵施設整備に5億6000万円、ハスカップ・地域ブランド化推進事業に533万円をそれぞれ計上。いずれも4月以降に着工、活動をスタートさせる。