むかわ町議会3月定例会が9日午前、開会した。竹中喜之町長が2020年度の町政執行方針を表明し、一昨年9月に発生した胆振東部地震の復興に向けて「町民と企業・団体、町議会、行政が手を携え、それぞれの底力を結集して『ワンチームむかわ』の精神で一丸となって一歩一歩前へ進んでいく」と力強く述べた。
竹中町長は、震災で自宅が損壊し、応急仮設住宅での暮らしを余儀なくされている被災者の住まいの確保を最優先とし、「防災・減災施設の整備と地域防災体制の強化とともに住環境の整備を進めていく」と説明。末広団地1棟18戸と町営住宅の文京ハイツ1棟12戸を整備するほか、鵡川高校野球部寮は12月の完成を目指すことも掲げた。
また被災時の対応や復旧、復興に向かう過程を教訓にし、次世代につなぐ「むかわ町震災アーカイブ」を記録として収めるほか、避難所機能の強化、消防署鵡川支署の新庁舎建設に着手。地震で空洞化が進むまちなかの再生に向けても関係機関との連携や空き地を活用しながらにぎわいの創出に取り組む。
このほか、穂別地区で発掘されたハドロサウルス科の恐竜全身骨格化石「むかわ竜」(通称)を生かしたまちづくりにも言及。「恐竜ワールド構想推進計画」に基づき、子ども化石くらぶの継続や6月から北海道博物館で開催される「恐竜展2020」に出展を計画するなど、まちの魅力発信と交流・関係人口の拡大につなげる取り組みも推進。これを具現化させていくため、地域資源の魅力を磨き、商品開発や販売へとつなぐ地域創生ビジネスを展開する「地域商社」の設立支援なども行っていく考えを示した。
定例会の会期は11日まで(予備日12日)。