厚真町は6日、2020年度予算案を発表した。一般会計は19年度当初予算比5・9%減の118億4800万円、特別会計を含めた総額は同10・5%減の142億1680万円となった。宮坂尚市朗町長は6月に町長選を控える中だが、「昨年同様に大規模な予算。震災からの復旧、復興をメインにしながら、次世代も見据えた新しいチャレンジもしていく」と語った。
歳入は、町税が19年度比0・7%減の15億1600万円、地方交付税は12・9%増の22億9700万円、ふるさと納税などの寄付金は1・3%増の4億500万円と見込んだ。一方の歳出では、18年9月に発生した胆振東部地震の災害復旧事業費として31億4900万円を計上した。
震災復旧、復興に係る新規事業では、林業専用道・森林作業道整備に5700万円、山腹崩壊した森林の再生・林業復興推進事業に3600万円。住環境の確保としては厚真、上厚真の両地区に合わせて46戸建設する公営住宅の建設費に16億4400万円を盛り込んだ。
また、インフラ整備や防災を意識した持続可能なまちづくりにも着手し、豊沢地区の移住者向け住宅地「ルーラルビレッジ」と新町地区の宅地耐震化の整備に13億9000万円を計上。このほか被害の大きかった北部地区に、集会所の機能を持ち合わせる防災施設整備として1100万円、役場庁舎再編整備も含めた公共施設等総合計画策定に1100万円を組んだ。
また、震災後の心のケアを盛り込んだ予防対策事業に3100万円を充てる。
厚真町 20年度主な事業
▽被災地教育推進事業 164万円
▽地域包括支援事業 1273万円
▽予防接種・予防対策事業(一部新規)3132万円
▽林道専用道・森林作業道整備事業(新規)
5716万円
▽森林再生・林業復興推進事業(新規)2157万円
▽町有林造林事業 3635万円
▽定住化促進対策事業 5608万円
▽公営住宅建設事業(新規) 16億4439万円
▽宅地耐震化推進事業(新規) 13億9000万円
▽地域防災計画等作成委託(新規) 400万円
▽防災施設整備事業(新規) 1132万円
▽公共施設等総合管理計画策定事業(新規)
1140万円
▽住宅復旧支援事業 1億5000万円
▽小規模住宅地区改良事業(新規) 2600万円
▽仮設住宅自立支援事業 1224万円
▽胆振東部地震災害記録誌作成事業(新規)110万円