安平町は2日、総合庁舎で開いた会見で2020年度予算案を発表した。一般会計は19年度当初予算を2・7%下回る81億9700万円。及川秀一郎町長は、胆振東部地震で校舎が損壊した早来中学校の再建に係る小中一体型校舎の建設をはじめ、仮設住宅で暮らしている被災者の住み替え支援、追分地区に昨年4月オープンした道の駅「あびらD51(デゴイチ)ステーション」を取り巻く周辺の整備を新年度の重点項目として挙げた。
22年度中の完成を目指す小中一体型校舎建設について、新年度は実施設計費を含む1億5000万円を計上。震災で住宅を被災し、仮設住宅に住む入居者に対して恒久的住まいに速やかに移れるよう、町が独自に支援をする住み替え支援として4990万円、さらにペット用住宅の改修としては1500万円を充てた。
道の駅に係る周辺整備費としては、道の駅周辺に膜状のトランポリン「ふわふわドーム」など子どもが楽しめる遊具を設けた「柏が丘公園」(愛称ポッポらんど)の建設に1億5600万円を組んだ。また追分ゲートウェイ整備プロジェクト事業として780万円、道の駅プロポーション戦略事業として300万円を盛り込んだ。
このほか、震災復興関連事業としては厚真、むかわの両町と共同で合同で行う復興記念誌作成事業やコミュニティ復興支援事業、公営住宅の解体、地域優良賃貸住宅建設などを計画している。
特別会計、企業会計などを含む総額は9・2%減の115億3600万円。一般会計の歳入は、町税が19年度当初比で5・8%増の19億900万円、地方交付税は2・5%増の25億800万円を見込んだ。歳出は、土木費が88・3%増の11億6400万円、農林水産業費に26・5%増の4億7500万円と大幅に計上した一方、震災の復旧工事の一部完了で災害復旧費は69・8%減の3億9300万円となった。
及川町長は「昨年末に復興まちづくり計画を策定し、テーマでもある『安平力を結集して未来へつながる復興を目指して』の実現に向けて推進していきたい。復興に関しても勝負の年となる」と述べた。
安平町20年度の主な事業
▽情報通信基盤整備事業 3740万円
▽復興記念誌作成事業 110万円
▽空き地活用住宅建設補助事業 200万円
▽コミュニティ復興支援事業 3000万円
▽あびら版町民チャレンジ応援事業 277万円
▽被災者住み替え支援事業 4990万円
▽追分ゲートウェイ整備プロジェクト事業 779万円
▽道の駅プロポーション戦略事業 298万円
▽柏が丘公園整備事業 1億5635万円
▽公営住宅等解体事業 1億1357万円
▽地域優良賃貸住宅建設事業 1億7418万円
▽早来小学校・中学校整備事業 1億5019万円
▽ペット用住宅改修事業 1520万円