むかわ町の穂別小学校(佐々木秀人校長)はこの1年、学校全体で工夫を凝らして体力の維持に努めた。胆振東部地震の影響で1年間体育館が使えず児童の体力低下が懸念された同校。雑巾掛け競走や連続長縄跳び大会を定期開催するなど、学校独自の取り組みを展開。一定の成果が見られた。
同校の体育館は2018年9月に発生した地震の影響で窓ガラスが割れたり、外壁がひび割れたりなど大きく損壊。昨年の9月末まで立ち入り禁止の状態となり、体育の授業は全て校舎内のホールで実施するなど運動を制限されていた。
そんな中だったが、サーキットトレーニングや雑巾掛け競走など体育の授業以外でも工夫を凝らしたプログラムを積極的に採用。校内で学年ごとに行われた7種目の測定でも握力や上体おこし、立ち幅跳びなどで校内の歴代記録が続出した。
児童会でも学期ごとに学年対抗による長縄の連続跳び大会を開催するなどして全校に運動の機会を増やすよう促し、2月21、22日のお披露目会では昨年11月に比べてほとんどの学年が記録を更新した。中でも6年生チームは50回以上、4年生チームに関しては100回以上も回数を伸ばすなど目を見張る効果も。同校の教員たちも「いろんなところで継続的に体力づくりをしてきた成果が出たのでは」と目を細める。
公表はしていないが、町教育委員会がまとめた体力測定の結果でも「鵡川地区よりも穂別地区の児童の方が数値が高かった」と分析する。体育館が使えなかったという点で「一定のストレスがあったと思うが、現場の先生方がさまざまな工夫をしてくれた」と話している。