白老町は、アイヌ文化復興拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)に訪れる観光客らの交通利便性を高めるため、JR白老駅やウポポイを経由し循環させる「交流促進バス」を運行する計画だ。白老駅発着でウポポイや駅北観光商業ゾーンなどをつなぐ20便と、ウポポイ発着で社台地区などの飲食店や観光スポット訪問に便利な6便の計1日26便で、ウポポイ開業の4月24日から運行開始する予定。観光客の2次交通の整備で経済効果の取り込みも狙う。
交流促進バスの運行は、13日に白老コミセンで開かれた町地域公共交通活性化協議会で示された。
町によると、白老駅発着の「市街地循環便」はJR列車のダイヤも意識して1日20便運行。白老駅―ウポポイ―駅北観光商業ゾーン・観光インフォメーションセンター―スーパーくまがい―町役場―白老駅のルートを15分間隔で走らせる。JRを利用するウポポイ来館者の2次交通を確保するほか、観光インフォメーションセンターや町中心部の大町商店街などへの誘導も狙う。
ウポポイ発着の「社台・市街地便」は、白老駅を経由し社台地区の菓子店やすし店、カフェ、石山地区の白老牛レストランといった飲食店、牧歌風景の観光スポット、仙台藩白老元陣屋資料館などが訪問できる循環バスを水曜日を除き1日6便運行。水曜日は社台と中心部をつなぐ短いルートで1日5便走らせる。
2路線の交流促進バスは、「ポンチョ」(乗車定員36人)と呼ばれる立ち乗りバス2台を利用。アイヌ文化を発信するため、車体にアイヌ文様のラッピングを施す。運賃は大人100円、小中学生50円とし、ウポポイ定休日の月曜日は運休する。
アイヌ政策推進交付金を活用したバス運行は、町が白老観光バスに委託して実施。観光客に運行ルートを周知するため、町は4カ国語のパンフレットを作り、インターネットでも案内する。
町は、ウポポイを生かした観光のまちづくりを進めるため、観光客に町内を周遊してもらう2次交通の整備を課題としており、今後、竹浦・虎杖浜地区への交通手段を含めて体制を検討する。