白老町は、2020~24年度の5年を期間とした第2期子ども・子育て支援事業計画の素案をまとめた。教育や保育、子育てに関する行政ニーズが多様化する中、支援に向けた8項目の基本目標と22の基本施策を盛った。共働き世帯の増加など子育てを取り巻く状況の変化を踏まえ、安心して産み育てられる環境づくりと子どもの健全育成を促す事業を展開する。
新計画は、15年度から5年間の第1期計画が今年度で終了するため策定する。子どもを育てる家庭へのニーズ調査や、福祉・教育など各分野の関係者を委員とした子ども・子育て会議での議論を経て素案を取りまとめた。
基本理念は、第6次総合計画(20~27年度)との整合性を持たせて「思いやり、支え合い、みんなが元気で暮らせる健幸(けんこう)のまち」とした。施策の基本目標としては(1)幼児期の教育・保育の充実(2)地域における子育て支援(3)親子の健康の確保と増進(4)子どもの健やかな成長を支える教育環境の整備(5)子育てを支援する生活環境の整備と安全確保(6)職業生活と家庭生活の両立推進(7)支援を必要とする児童への取り組み推進(8)子どもの権利保障の推進―の8項目を定めた。
これに基づき、教育・保育施設の充実、子育て支援ネットワークづくり、家庭や地域の教育力向上、仕事と子育ての両立支援、子どもの貧困対策推進といった22の基本施策を明示。基本施策を踏まえ、4月にリニューアルオープンの子育てふれあいセンターを拠点とした育児サポート、子育て応援ウェブサイト構築、放課後児童クラブや保育サービスの充実、生活困窮世帯の子どもへの学習支援、電子メディア適正利用の啓発―など計87事業を盛り込んだ。
育児や教育をめぐっては、少子化や核家族化の進行、共働き世帯の増加など社会変化に伴う行政ニーズが多様化している。生活困窮問題も顕在化する中、必要な支援が求められている。そうした状況を踏まえて町は、庁内各部署の連携で新計画の事業を展開していき、「子どもを安心して産み育てられ、次代を担う子どもが心身ともに健やかに成長できるまちづくりに取り組みたい」としている。
町は、計画素案に対する町民意見(パブリックコメント)や子ども・子育て会議の最終議論を経て3月末までに策定する。
第2期子ども・子育て支援事業計画の基本施策
▽教育・保育施設の充実▽教育・保育内容の充実▽地域における子育て支援の充実▽子育て支援ネットワークづくり▽子どもと母親の健康の確保▽思春期保健対策の推進▽食育の推進▽次世代の親の育成▽生きる力の育成に向けた教育環境整備▽家庭や地域の教育力向上▽児童の健全育成▽安全・安心な生活環境整備▽子どもを犯罪被害から守る活動推進▽被害に遭った子どもの保護推進▽多様な働き方の実現と見直し▽仕事と子育ての両立推進▽児童虐待防止対策の充実▽ひとり親家庭への支援▽障害児施策の充実▽子どもの貧困対策推進▽子どもの権利啓発活動の推進▽子どもの権利侵害への対応