町は、まち全体で観光客をもてなす環境づくりと、ウポポイを生かした地域経済の活性化を狙いにレシピ講習会を企画。東京を拠点に飲食関連事業を営むシェフ寺脇加恵さんが講師を務め、町内の飲食業9店の経営者や従業員ら20人が受講した。
取り上げた料理はカムオハウ(シカ肉の汁物)、チェプオハウ(魚の汁物)、キナオハウ(野菜の汁物)の3種。町内でアイヌ語教室を主宰する大須賀るえ子さんの監修の下、寺脇さんが考案した。
白老コミセン調理室を教室に寺脇さんは、シカ肉やマス、ダイコンやジャガイモ、ニンジンなど野菜を具材に塩味で仕上げたオハウを調理しながらレシピを伝授。コンブでだしを取る、使用する肉はさまざまな部位を使うなど、基本を守りつつアレンジを加えたオハウの調理方法を紹介し「シカ肉に臭みがあれば日本酒を加えて煮る。塩ザケを使用する場合は塩抜きをする」など調理のポイントを伝えた。
オハウはさまざまな山菜や野菜、鳥獣肉、魚肉などを具材に魚脂や塩で味付けした汁物で、アイヌ民族が日常的に食べた料理。店のメニューに加えて、ウポポイ開業を機に国内外から訪れる観光客にアイヌ文化を発信しようと、受講した人たちは熱心にレシピを学んだ。
同町大町の居酒屋「河庄」の従業員三国志の生さん(35)は「夜だけでなくランチ営業も検討しており、店での提供を考えたい」とし、大町食堂を営むしらおい食楽の杉本健一社長も「オハウ定食などをメニュー化できれば」と話していた。
白老町は5日、4月の民族共生象徴空間(ウポポイ)開業で来町する観光客への提供を視野に、町内の飲食店などを対象にしたアイヌ民族伝統料理オハウのレシピ講習会を白老コミュニティーセンターで開いた。町内で食堂や居酒屋、カフェなどを営む人たちが参加し、白老の食材を使って現代風にアレンジしたオハウ3種の作り方を学んだ。