新ひだか町はこのほど、静内の真歌公園に整備を計画しているアイヌ文化拠点空間(仮称=新ひだかアイヌ・ミュージアム)について、関係団体の代表らから意見を聞く第3回町アイヌ施策懇談会を役場静内庁舎で開いた。町は新たに建設する交流拠点施設のホール内に2018年9月に取り壊した旧シャクシャイン像を同寸大で復元・設置する案を示し、関係団体は大筋で賛同した。
新ひだか、静内、三石の町内3アイヌ協会や関連団体、主要産業・文化団体などの代表13人で昨年11月に発足した懇談会は毎月開催し、基本構想の策定(業務委託)と構想内容を検討している。21年度以降に拠点空間の整備を進める方針で、事業整備費は国のアイヌ政策推進法に基づく新たな交付金事業を活用する。
第3回懇談会では、公園内にある老朽化したアイヌ民俗資料館と隣接のシャクシャイン記念館を取り壊し、新たに一体化して建設する交流拠点施設のイメージをより具体化した内容で説明。入り口の中央ロビー左右に、現施設規模の儀式空間(シャクシャイン記念館)とアイヌ民俗資料館のほか、体験学習室、調理室、図書・資料室、談話室などを配置している。
復元を構想している旧シャクシャイン像は、1970年の建立で老朽化により倒壊の危険性が指摘され、所有者の町が2018年に台座部分を残して撤去した。新ひだかアイヌ協会が同年9月、公園内の約120メートル離れた場所に旧像とデザインが違う新像を建立している。