全道の農業者らでつくる「北海道農民管弦楽団」による定期演奏会が1日にむかわ町四季の館、2日に安平町早来町民センターでそれぞれ開かれた。胆振東部地震の被災地復興祈念コンサートの位置付けで、足を運んだ約400人の聴衆に音楽で元気のエールを送った。
同楽団は、1994年に発足したオーケストラグループで農閑期を中心に活動。現在は農業者をはじめ、関係機関・団体などの職員ら約70人で構成している。
2日に早来町民センターで行われた公演では、農民のためのファンファーレとして宮沢賢治作曲による「星めぐりの歌」やビバルディの四季から「春」をはじめ、ベートーベンの「運命」、「となりのトトロ」の「さんぽ」を楽器の紹介と併せて披露するなどなじみのあるプログラムを提供。鬼気迫るような迫力と、時に優しく包み込むような演奏で聴衆を魅了した。早来中学校1年の小山内祐也君(13)は「初めてオーケストラを聴いたが、音がすごかった」と目を丸くしていた。
このほか安平早来、厚真両中学校の吹奏楽部、厚真町民吹奏楽団とも共演し、エルガーの「威風堂々」なども披露。最後は復興支援ソング「花は咲く」の演奏と会場全員での大合唱を合わせて締めくくった。指揮者を務めた牧野時夫代表は「一日も早く、元の生活に戻れることを祈っています」とねぎらいの言葉を掛けた。