厚真町議会は28日、臨時会を開いた。町は豊沢地区の移住者向け住宅地「ルーラルビレッジ」と新町地区の宅地耐震化の整備と、胆振東部地震や台風21号といった自然災害で大きな被害を受けた農家に対し、営農再開に伴う掛かり増し経費の支援として、今年度一般会計に8億3400万円を追加する補正予算案を提出し、可決された。
ルーラルビレッジの宅地耐震工事はほぼ全域で実施。地震で地滑り被害が大きかった箇所に、押さえ盛り土や地中にくいを打ち込んで高いところから低いところへ滑り出そうとするものを押さえ込む。また、地下水対策として道路脇に側溝や地中に排水管を設置する工事を行い、雨水や雪解け水が地中に浸透するリスクを軽減する。新町地区でも地震により地盤が沈下、液状化した2カ所を整備する。
着工は今春からでルーラルビレッジは3カ年、新町地区は2カ年を予定。町は総事業費として28億円を見積もっており、今年度は調査費として2億円、補正予算として8億円を新たに計上した。
また、一昨年の胆振東部地震や台風21号により被害を受けた農家で、国や道の補助対象にならなかった被害への支援として3400万円を補正。町は事前調査の回答から、農地付近に設置した仮設事務所やトイレ、消耗品、作業委託料などの掛かり増し経費を見込んだ。
このほか新町、本郷、上厚真の3カ所に建設する災害公営住宅の工事請負契約の締結についてなど議案10件を原案通り可決。災害公営住宅の完成は上厚真地区が9月下旬、新町、本郷地区は10月下旬を予定している。