2019年度全国高校総合体育大会(インターハイ)第69回全国高校アイスホッケー競技選手権大会は最終日の26日、帯広市の帯広の森アイスアリーナでトーナメント決勝を行った。第60回、61回大会(11―12年)以来の連覇を目指した駒大苫小牧は、地元開催に勢いづく白樺学園に0―3で敗戦。準優勝となった。白樺学園は2年ぶり6回目の頂点返り咲きを果たした。
2年ぶりの十勝開催となった今インターハイアイスホッケー競技は、22日に開幕。全国の精鋭28校が集い、23日からの競技4日間でハイレベルな試合を数々繰り広げてきた。
▽決勝
白樺学園3―0駒大苫小牧
▽得点者【白】畑山(常川、吉成)金子(佐藤尚)吉成(夏野)▽GK【白】佐藤永【駒】石川
25日
▽準決勝
駒大苫小牧5―2清水
▽得点者【駒】山口(森田、中島)三浦(鎌田)山口(中島、小金澤)森田(小金澤、今)鎌田(大久保、三浦)【清】植森(丸山、茶木)植森(丸山)▽GK【駒】石川【清】久保埜
白樺学園5―1埼 玉 栄
▽得点者【白】石井(川本、今井)夏野(石井、常川)大友(竹谷、金子)亀本(佐藤尚、金子)齊藤(亀本、川本)【栄】井口(漆畑)▽GK【白】佐藤永【栄】丹治
―8年ぶりの夢ついえる
8年ぶり連覇の夢はついえた。閉会式で首元に掛けられた銀メダルには目もくれず、激闘を重ねた帯広の氷上から静かに去った駒大苫の選手たち。堅守を武器に勝ち上がってきたチームとして決勝の大一番での完封負けは、予想だにしない幕切れだった。
初陣の2回戦、続く準々決勝を無失点で快勝。準決勝こそ5―0と決着がほぼ付きかけた試合終盤に得点されはしたが、持ち前の高速プレスで相手の攻め手を摘むスタイルは、昨冬の道大会(釧路)時よりもさらに磨きが掛かっているように見えた。
「雰囲気はいつも以上によかった」と三浦主将(3年)が手応えをつかんで臨んだ決勝。試合開始わずか12秒で反則を取られると、7分すぎまでに計四つのペナルティーがかさむ事態に陥った。守護神石川(3年)はもちろんFW、DFも体を張ってゴールを死守したが、8分すぎに迎えた数的不利な4対5のキルプレーで、一時ノーゴール判定されたものがビデオ検証で得点と認められた。
相手チームの応援団で埋め尽くされた会場のざわめきが収まり切らない中、約2分半後にも「防げた失点」と桶谷監督が振り返る素早いカウンター攻撃からゴールを許した。
そこから猛烈な攻勢に出て計55本(白樺20本)ものシュートを放つも、16歳から男子アイスホッケーのフル代表に選出されている相手GK・佐藤永(3年)=苫東中出身=が守るゴールを最後まで割ることはできなかった。
「インターハイで負けたことが一番つらい」と三浦主将は涙を流す。昨年11月の道選抜大会で白樺学園をペナルティー・ショット・シュートアウトの末2―1で破るなどし7年ぶりに制覇。続く道大会も1失点で王座死守と上り調子だっただけに、悔しさは計り知れない。
「現実を受け止めて、次につなげていかなければいけない」と桶谷監督。三浦主将は後輩たちに向け、「この大会だけは何がなんでも(タイトルを)取ってほしい」とエールを送った。