白老町は、アイヌ文化復興拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)や白老の魅力を広くアピールするため、3月上旬に道民100人を招き、インターネット交流サイト(SNS)で情報発信してもらう事業を計画している。アイヌ文化体験など1泊2日のプログラムを用意し、4月のウポポイ開業と白老観光をSNSでPRしてもらう。交通費や宿泊費は町が負担し、今後参加者を募集する。
町アイヌ総合政策課によると、イベントは3月8、9日に予定。札幌圏を除く道内都市部の旭川、函館、帯広地域に在住し、インスタグラムやツイッターなどSNSを日常的に利用している人を集める。
町はプログラムの具体的な内容をまだ固めていないが、アイヌ文様刺しゅうや伝統楽器ムックリ(口琴)制作といったアイヌ文化の観光体験などを検討。夜にはウポポイの施設が立ち並ぶポロト湖付近でレーザーを使った光のパフォーマンスを行い、その美しく幻想的な光景をインスタグラムなどで伝えてもらうことも考えている。夜空にレーザー光を放つイベントでは、町民参加も検討する。
参集の交通機関はJRやバスなどを想定。宿泊施設として虎杖浜など町内の温泉ホテルを用意する。交通費や宿泊費などの費用は、町がアイヌ施策推進法に基づく交付金申請で確保したアイヌ文化PR事業費から捻出する考えだ。
政府が年間来場者100万人を目標に掲げるウポポイをめぐっては、認知度不足の解消が大きな課題となっている。道が昨年秋に行った調査では、ウポポイを知っていると答えた道民は約5割にどどまり、道外の人はわずか6%程度と低い。オープンを4月24日に控え、知名度の向上が急がれる中で、地元白老町はSNSの情報発信力に期待を寄せている。