鵡川高校野球部の監督として同校を春のセンバツ甲子園に3度導き、今年8月に死去した佐藤茂富さん(享年79)を偲(しの)ぶ会が14日、むかわ町道の駅「四季の館」で開かれた。かつての教え子や佐藤さんと関わりのあった町民ら約160人が出席し、在りし日の思い出を語り合った。
佐藤さんは1997年、砂川北高から赴任。21世紀枠で初出場した2002年の選抜大会を皮切りに04、09年と同校を春のセンバツ甲子園に導いた。元気、本気、一気の「三気野球」を掲げ、むかわの名を全国にとどろかせた。
会の冒頭、伊東範充実行委員長は「佐藤先生が栗山高で指揮している時に出会い、不思議な縁があってか鵡川で再会した」と懐かしみながら、「先生も草葉の陰から手を振っていると思います」とあいさつ。来賓の竹中喜之町長は「私たちは佐藤茂富監督を決して忘れることはありません。ぜひ鵡川高校、むかわ町に関わっている皆さんに天国から三気のエールを送って、温かく見守ってくれたら」と言葉を述べた。
会場では佐藤さんの軌跡をたどるビデオを放映したほか、同校野球部と吹奏楽部による追悼パフォーマンスでイベントに花を添えた。98年から4年間、同校の野球部長を務め、佐藤さんとチームを支えた小池啓之さん(68)は「当時は佐藤先生と何度も言い合ったが、今思うとあの教えはすごかった。むかわ町は僕にとっても掛け替えのない町。できることがあれば、お手伝いをしたい」と話していた。