浦河観光協会(木田尚孝会長)は5日から10日まで5泊6日の日程で、タイからの観光客が観光名所やグルメ、文化体験などを楽しむツアー「とんがりロードをめぐる旅」を実施した。旅行業者の資格を持つ同協会による正規の海外からの受注型企画旅行で、タイなどをターゲットに取り組んできた誘客プロモーションが実を結んだ。
同観光協会が事務局の「四町広域宣伝協議会」(浦河、様似、えりも、十勝管内広尾町)は、4年前からタイや台湾に出向いたり、両国関係者が管内を巡るモニターツアーなどを実施。今回のツアーは、日本に留学経験があるタイ国元日本留学生協会のプッサディー会長をツアーリーダーに、協会関係家族ら子ども2人を含む15人の一行で、浦河町西舎のうらかわ優駿ビレッジ・アエルを拠点に、観光協会が旅行行程を企画し、各町を巡った。
プッサディー会長は51年前、日本政府の国費留学生として東京外語大やお茶の水女子大の大学院などで学び、日本で働いていた時期もある日本語が堪能な女性。昨年春に、広域宣伝協議会の招きで4町を事前視察しており、今回、タイ側からツアーの希望があり、観光協会が受注した。
タイからの参加者は、首都バンコクや近郊に住む家族ら。5日夜に直行便で新千歳空港に到着後、6日は新冠町のディマシオ美術館、7日は浦河町でオジロワシ・オオワシの観察、海鮮丼用の魚のさばき、アイヌの手仕事や料理など伝統文化を体験した。
参加者の大半は、東京や京都などへの旅行はたびたびしているが、日高地方は初めて。プッサディー会長は「参加者は以前に築地で食べたすしを気に入った人が多く、日本食が好き。ディマシオ美術館も良かった」と話していた。