道は5日、2019年度第1回タンチョウ越冬分布調査を全道285カ所で一斉に実施した。過去につがいが確認されたむかわ町では、町民有志と道職員の計6人が、飛来情報を基に車で巡回し個体数などを調べ、成鳥1羽を確認した。苫小牧市内でも日本野鳥の会レンジャーが弁天沼や美々川周辺などを巡回調査し、成鳥1羽を確認した。
調査は、国の特別天然記念物で絶滅危惧種のタンチョウの生息域の把握などが目的。むかわ町では、有志でつくる「むかわタンチョウ見守り隊」(小山内恵子代表)の隊員らが午前9時から車で巡回し、双眼鏡などで調査。町田浦の田園地帯で、2歳とみられる成鳥1羽を目視で確認した。
この成鳥は、昨年度の第1回調査で見つかったつがいが育てていた5羽目のひなが成長したものとみられる。つがいは見つからず、小山内代表(66)は「きょうは日高町門別に移動した可能性がある」と話していた。
胆振総合振興局自然環境係長の高橋克巳さん(54)は「無事確認できてよかった」と笑顔。小山内代表は「タンチョウを見つけても遠くから見守って」と呼び掛けている。
道によると、昨年度も第1回調査(12月)はむかわ町と苫小牧市で実施し、むかわ町でつがいの成鳥2羽と幼鳥1羽の生息を確認していた。第2回調査は事前に目撃情報などが寄せられた場合、来年1月24日に実施の予定。