むかわ町の穂別博物館が主催する2019普及講演会が23日、穂別町民センターで開かれた。兵庫県丹波市で発掘された恐竜化石「丹波竜」(正式名、タンバティタニス・アミキティアエ)について研究する兵庫県立大学の三枝春生准教授らが、丹波竜が見つかった篠山層群など地層について語った。
三枝准教授は、恐竜化石の発掘場所が限られている日本国内において、「化石の大産地」と呼ばれる兵庫県の篠山層群では丹波竜のほか、カエルの化石などが見つかっていることを紹介。また関西、四国を中央構造線の北側に沿って細長く地層が続く和泉層群からは、むかわ町穂別の地層と同じようなアンモナイトの化石が見つかっていることも取り上げた。
三枝准教授はさまざまな化石から「恐竜の成長過程を研究することができる」とし、今後については「中国で見つかったが、日本ではまだ発見されていない化石に注目している。カムイサウルスに負けない恐竜化石を見つけたい」と意欲を示した。
後半では、白亜紀の丹波の生物を描く画家で大阪芸術大学教養課程の小田隆准教授が丹波竜の復元画がどのように描かれたのかなどについて解説した。