夏から10月にかけほとんど水揚げのなかった浦河沖のイカ漁が、寒さ厳しい11月に入りようやく本格化している。日高中央漁協(本所・浦河町)は「あと10日ほど漁が続いてくれたら、金額的に当初計画並みになる」と期待する。
例年8月中旬のお盆過ぎから水揚げが始まる浦河沖のイカ漁は、今年は「8月はゼロ、9月も3・8トンでほとんど捕れなかった」(同漁協)という。長年、浦河沖のイカを販売してきた町内の商店主は「40年以上商売をしているが、秋までこれほどイカが揚がらなかった記憶はない」と話す。
10月も散発的な水揚げで、量も少なかった。11月11日以降は連日まとまった漁模様となり、ここ1週間ほどで約100トン、18日までの総漁獲量(9月から)は166トンとなった。ただ、同漁協の当初計画は442トンを見込み、まだ4割弱。価格が高く推移しているため、減産分を補っている状況だ。
イカ釣り船は、多くが山形、青森などからの外来船。18日は浦河沖で29隻、様似沖で17隻の計46隻が操業。通常は夕方までの操業だが、この日の海はしけたため昼すぎには港に戻り、20匹入りなどの発泡スチロール箱で約2900箱、加工用の木箱で414箱を水揚げした。
11月の相場は高値で、発泡箱は5000円前後、木箱は1万2000~1万5000円程度で取り引きされている。12月まで操業は可能だが、これからの時期はしけが多くなる。今年は主力の秋サケ漁やタコ漁なども不振なため、「もうしばらくイカ漁が続いてほしい」と同漁協は話している。