■接戦とスペシャルプレー
前半戦で見えた課題の一つが接戦での弱さ。リーグ3位で折り返す前半戦11勝7敗(勝ち点32)のうち、6敗が2点差以内でさらにそのうち1点差は2試合。逆に勝ち試合では、3点差以上開いたのが7試合あり、点差をつけての勝利が多かった。小差の試合を着実にものにすることが今後のキーポイントとなる。
もう一つがシーズン当初から言われ続けている、数的有利不利が生まれるスペシャルプレーへの対応。菅原宣宏監督が「後半戦に向けて精度を上げていかないと戦いにならない」と話すように、優勝へ向けて課題克服は不可欠。現時点で数的有利のパワープレー時の得点の成功率は37・50%でリーグでは断トツ。好機をしっかりと物にしている。
逆に数的不利になるキルプレーは当初、70%台の前半から中程度の阻止率にとどまりリーグワーストだった。現在は79・31%と3位まで向上。レギュラーリーグ前半を6連勝で締めくくるなど、勢いづいた要因となっている。もっとも上位進出には「5回に4回は止めないと」と指揮官が話す通り、最低限80%台は確保したい。ピンチをどう切り抜けて好機につなげていくかがリーグ制覇のカギを握る。
■分かれる明暗
13勝4敗(同37)でリーグ首位のアニャンハルラ(韓国)は序盤、多少足踏みはあったが、若手の台頭などもあり盛り返してきた。追加の選手登録もしており、さらに力を発揮しそう。昨年覇者で2位のサハリンも11勝4敗(同34)と続き、体の大きさを生かした攻撃で日本勢を圧倒している。
4位でプレーオフ争いを演じている8勝10敗(同24)の栃木日光も素早いパス回しと強力攻撃陣を武器に上位を視野に入れる。7勝7敗(同20)で5位のデミョンは若手の爆発力があれば今後は怖い存在。下位に沈んでいるひがし北海道(6勝11敗、勝ち点19)と東北(13敗、同2)は守りの整備が必須だ。
■遠征が続く後半戦
王子はアウェー戦が多くなり、体力、精神的にも厳しい戦いが必至の後半戦。再スタートは23日から新横浜でひがし北海道と2連戦し、中3日でロシア・ユジノサハリンスクでサハリン3連戦などタイトな日程だ。両チームには前半戦で苦汁をなめさせられた。試合ではこれまで培ったものを生かし、改めて力を付けた姿を見せつけたい。
ハルラ、サハリン、王子と優勝争いは三つどもえの様相を呈するアジアリーグ。後半戦のスタートダッシュで流れをつくりたい。(工藤航)
王子イーグルスレギュラーリーグ後半戦日程
試合日 開催地 対戦相手 試合開始
11月23日 新横浜 ひがし北海道 午後4時
24日 新横浜 ひがし北海道 同2時
28日 ユジノ サハリン 同7時30分
30日 ユジノ サハリン 同5時10分
12月1日 ユジノ サハリン 同5時10分
21日 東京 東北 同4時
22日 東京 東北 同2時
1月11日 苫小牧 栃木日光 同3時
12日 苫小牧 栃木日光 同3時
13日 苫小牧 栃木日光 同3時
18日 韓国木洞 デミョン 同3時
19日 韓国木洞 デミョン 同3時
21日 韓国木洞 デミョン 同7時30分
23日 韓国安養 ハルラ 同7時
25日 韓国安養 ハルラ 同5時
26日 韓国安養 ハルラ 同3時30分
2月15日 釧路 ひがし北海道 同3時
16日 釧路 ひがし北海道 同3時
※ユジノはユジノサハリンスク 時間は現地時間