アイスホッケー・アジアリーグは2、3の両日、苫小牧市若草町の白鳥王子アイスアリーナと栃木県日光市でレギュラーリーグ4試合が行われた。王子イーグルスはホームで東北フリーブレイズと連戦。初戦は5―1で快勝し、2戦目は6―3で逆転勝ち。10月15日のサハリン(ロシア)から数えホームで6連勝を飾った。栃木日光アイスバックスはひがし北海道クレインズと連戦し、3日は敗れたものの3連戦を勝ち越した。
苫小牧では、両日を「クラシックゲームズinとまこまい」の冠を付け、王子は1956年から7年間使用していた懐かしいユニホームを着用した。2日には苫小牧漁協の協力で人気のホッキ貝詰め放題イベント、3日の試合後には「氷上交流会」など多彩な企画が催された。このうち交流会は100人以上のファンたちがリンク上で選手たちと触れ合い、楽しいひとときを過ごした。
レギュラーリーグ順位は栃木日光が、試合のなかったデミョンキラーホエールズ(韓国)を抜いて4位に浮上した。王子は引き続き3位だが勝ち点を32に伸ばし、試合がなかった2位サハリンに2点差、同じく首位のアニャンハルラ(同)と5点差に詰めた。
王子の次戦は23と24両日、KOSE新横浜スケートセンターでひがし北海道クレインズと連戦する。苫小牧での次の試合は来年1月11~13日、栃木日光アイスバックスとの3連戦となる。
3日
▽苫小牧(王子4勝)
王子イーグルス6―3東北フリーブレイズ
▽得点者【王】三田村(柴田、レデンバック)中屋敷(中島、大澤)山下(久慈、小原)大澤(中島、橋本)大澤(中島、橋本)髙木(三田村、佐々木)【東】デニス(篠原、山田)パーナム(山田、ニコラス)田中豪(田中健、佐々木)▽GK【王】マッキンタイア【東】畑▽シュート数【王】27本【東】23本▽反則【王】8分【東】16分▽パワープレー得点【王】4【東】1▽キルプレー得点【王】0【東】0▽観客1368人
王子がシーソーゲームを見事に制した。第2ピリオド、2点を先制された直後にFW三田村が押し込み1点、ピリオド終了直前にFW中屋敷が同点弾。終盤にも競り合いが続いたがDF山下、FW大澤の連続得点などで勝負を決めた。
▽日光(日光4勝2敗)
ひがし北海道クレインズ2―1栃木日光アイスバックス
2日
▽苫小牧(王子3勝)
王子イーグルス5―1東北フリーブレイズ
▽得点者【王】相木(中屋敷、越後)小原(中島、高橋)中島(高橋、山田)大澤(山田、髙木)大澤(中島、橋本)【東】大宮(ニコラス、篠原)▽GK【王】マッキンタイア【東】古川▽シュート数【王】41本【東】17本▽反則【王】8分【東】4分▽パワープレー得点【王】1【東】0▽キルプレー得点【王】0【東】0▽観客1066人
王子は第1ピリオド、FW相木のシュートで先制。中盤に同点に追い付かれるも、FW小原が落ち着いて決めて再びリードを奪った。終盤は堅い守りからの積極的な攻撃で追加点を奪い、東北を突き放した。
▽日光(日光4勝1敗)
栃木日光アイスバックス2―1ひがし北海道クレインズ
王子は今季初の6連勝で前半戦を締めくくった。この東北2連戦では相手の粘りに押された場面も一部あったが、攻守にわたり安定感を取り戻した王子が年内最後のホームゲームを締めくくった。
今季いまだ勝ち星のない東北は「今シーズン初勝利を」と激しくプレッシャーをかけた。2試合で4得点をたたき出した王子のFW大澤勇斗が「本当にタイトな試合だった」と振り返るように、特に第2戦は果敢に攻める東北に2点を先取され、中盤まで主導権を握られた。
しかし、王子の選手はいたって冷静だった。シーズン序盤、ビハインドで浮き足立つ場面が見られた王子は、守りからリズムを作るホッケーを見せ、攻撃でも数的優位のパワープレーで落ち着いて決め切るなど、チーム力が向上した。菅原宣宏監督は「失点が続いた後に何とか60分で勝てたのは大きなこと。試合ごとにチームは成長している」と確かな手応えを口にしている。
全36試合のうち18試合を消化し、11勝7敗(勝ち点32)の3位。レギュラーリーグ1位も射程圏内に入れた王子。後半戦はほとんどがアウェーの試合となり、厳しい戦いが予想される。指揮官が「まだまだ細かいところで課題がある」と話す通り、現状を見詰め直し、リーグ制覇に向けて突き進むだけ。DF山下敬史主将は「今後もそれぞれのチームでの役割を再確認し、自分たちのプレーをやり切って勝利へつなげたい」と意気込んでいる。
チーム 試合 勝 負 勝点
(1)アニャンハルラ(韓国) 17 13 4 37
(2)サハリン(ロシア) 15 11 4 34
(3)王子イーグルス 18 11 7 32
(4)栃木日光アイスバックス 18 8 10 24
(5)デミョンキラーホエールズ(韓国)14 7 7 20
(6)ひがし北海道クレインズ 17 6 11 19
(7)東北フリーブレイズ 13 0 13 2
※19―20シーズンは4位までプレーオフに進出。