まさか

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年10月26日

 もし、この建物の1階が洪水で数十センチの深さまで浸水したら―。いつも座る椅子から、室内を見回して、家具や電気製品がどうなるかを想像してみた。

 テレビで洪水被災地の、災害ごみの山の大きさや、捨てられた物を見たせいだ。わが家でも、まず畳や敷物が使えなくなるだろう。その上の灯油ストーブはきっと駄目だ。テレビも、テレビ台の中のビデオ機器や音楽CDにも水がつくだろう。台所では冷蔵庫が巨大なごみになり、生き残るのは電子レンジぐらいか。洗面所の洗濯機や、湯沸かしボイラーもおそらくごみになる。仮に浸水まで時間があったとしても、高齢の夫婦が助けられる物はたかが知れている。自分の避難で精いっぱいだろう。どうやって生活を再建するか。被災者の苦しみを改めて思った。

 夏の夕方、レーダー解析で1時間100ミリという猛烈な雨を経験したことがある。家の前の道路が10センチ以上の深さに埋まるまで、ほんの数分。泥水を押し分けて車が通った後の波の高さは、30センチ以上にもなった。北東側が高くて、水がじわじわと家の方に流れてくる地形も分かった。近くの町内では水洗トイレが流れにくくなった。苫小牧は水害に強い―は本当か。防災の敵は「まさか」なのだ。

 千葉や茨城、福島、宮城などでは、きのうもまた、低気圧と台風絡みの大雨と強風に襲われ、何人もの命が奪われた。10月も下旬なのに、まさかの時間が続く。(水)

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