昨年9月に発生した胆振東部地震で、体育館が使えないなど被害を受けたむかわ町の穂別小学校で災害復旧工事が今月末に終わり、10月から体育館の使用を再開する見通しが立った。これまで1年ほどホールを活用してしのいできたが、ようやく広いアリーナを使えるようになり、町教育委員会では「子どもたちも安心するのでは」と胸をなで下ろす。
震度6強を観測した同町。町地域経済課建設グループによると、穂別小の校舎自体は大きな被害を免れたものの、体育館は窓ガラスが割れたり、外壁がひび割れするなどして発生直後から1年以上にわたって立ち入り禁止の状態に。体育の授業をはじめ、卒業式や入学式といった学校行事は校舎内にある吹き抜けのホールを使っていたが、2教室分ほどの広さしかないため、全力で走ったり、ボールを使った遊びなどは規制しなければならない状況だった。
復旧工事は5月20日から開始し、外壁の補修や塗装、アリーナ内に取り付けられていたスピーカーの改修などを行い、おおむね完了した。工事費用は約6450万円。30日に最終的な検査を受けて、10月1日から利用が可能になる見通しだ。
同校では当日、一新した体育館で全校朝会を予定。町教委は「今まで、できなかった体育の授業や10月に控える学習発表会も広々とした体育館で行ってもらえたら」と話している。
むかわ町宮戸小学校は10月4日から、胆振東部地震で使えなくなっていた体育館の使用を再開させる。
町教育委員会によると、宮戸小は昨年の地震で校舎と体育館をつなぐ渡り廊下の屋根や壁が崩壊。また、激しい揺れによりアリーナの床がめくれたほか、アリーナを支える下地部分の鉄骨がゆがんだ。このため、5月下旬から改修工事を行っており、4日に完了する予定。工事費はおよそ3000万円。
宮戸小はこの1年ほど、穂別小同様に体育の授業をはじめ、卒業式や入学式といった学校行事は校舎内にある吹き抜けのホールを使っていた。