高血圧患者の家庭血圧計で測定した脈拍が、死亡リスクを予測する指標になり、脈が速いとリスクが上昇することが分かったと、帝京大などの研究グループが発表した。
研究グループは、2001年6月~09年10月に登録された高血圧患者の男女3022人(平均年齢59・4歳)のデータを収集。高血圧治療開始前後におけるそれぞれ5日間の家庭脈拍の平均を算出し、死亡などとの関連を調べた。
中央値で7・3年の追跡期間中、72人が死亡した。治療開始前の脈拍別に5グループに分け解析した結果、最も脈拍の遅いグループに比べ、速い上位3グループは、いずれも死亡リスクが2倍以上高かった。年齢などを調整して分析したところ、1分間の平均脈拍が治療開始前で9・4回、治療開始後が9・9回上昇すると、死亡リスクが1・5~1・7倍高くなった。死亡リスク上昇の目安となる1分間の脈拍は、治療開始前が67・8回、開始後が66・4回だった。
(メディカルトリビューン=時事)