元島民3世として決意を語った永井さん(中央)=7日午後、大通公園西5丁目 「北方領土の日」は、政府が1981年1月の閣議了解で決定した。2月7日は1855年、伊豆の下田で「日露通好条約」が結ばれた日で、択捉島とウルップ島の間に国境が確認された歴史的な意義を持つ日とされている。
雪まつり大通会場5丁目で開かれたフェスティバルでは、北岸由利子実行委員長、外務省欧州局の田口精一郎参事官、冨原亮道議会議長らが次々にあいさつした。
鈴木知事は「戦後80年を迎える中、今なお北方領土問題は未解決なまま」と切り出し、「元島民の皆さんの平均年齢は89歳と高齢になられ、一刻の猶予も許されない状況にある」と強調。日ロ関係は依然として厳しい状況が続いているが「返還要求運動を止めることなく、節目の年に改めて北方領土問題が国民全体の問題であるという意識を高め、世論のさらなる結集と高揚により、国民が一丸となって政府の外交交渉を後押ししていくことが大変重要」と語った。
国後島出身の祖父を持つ元島民3世の札幌大谷大1年の永井夢来(ゆら)さんもステージに登壇。中学2年の時にビザなし交流で国後島を訪問し、現地の学生と交流した思い出を披露した。「暴力的な手段ではなく、互いに共鳴し合い、平和に領土問題が解決されること。亡き祖父の思い、願いを未来へと伝えていくことが私の使命」と述べ、今後も積極的に啓発活動に取り組む決意を述べた。
フェスティバルを前に、大通会場6丁目に設置されている北方領土コーナーで、鈴木知事や道議会北方領土対策特別委員会の吉田祐樹委員長らが署名活動を展開。雪まつりの来場者に協力を訴えた。
今年8月で戦後80年を迎える日本。「北方領土の日」の7日、第75回さっぽろ雪まつり会場(中央区の大通公園)で「2025北方領土フェスティバル」(北方領土の日啓発実行委員会主催)が開かれた。ロシアのウクライナ侵攻で日ロ関係は厳しい状況が続く中、雪のステージで鈴木直道知事や元島民3世らが領土問題の早期解決へ向け引き続き粘り強く活動する決意を表明。会場内で知事らは返還要求署名活動も展開した。