トラック共同中継輸送を実証 苫埠など 道央圏と釧路間中継地点で運転手交代

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  • 2025年2月11日
共同中継輸送の実証実験イメージ図

 

 苫小牧市入船町の倉庫・港湾運送業の苫小牧埠頭(海津尚夫社長、以下苫埠)と、北海道コカ・コーラボトリング(札幌市、以下コカ・コーラ)の子会社幸楽輸送(同、以下幸楽)が、道央圏と釧路との間のトラック輸送で「共同中継輸送」の実証実験を展開している。行程内に設けた中継地点でトレーラーを交換し、運転手一人当たりの拘束時間や運転距離の短縮、輸送の効率化などを図る狙いで、「片荷」の解消にも役立てたい考えだ。

 トラック運転手の時間外労働が規制された「2024年問題」への対応や、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)実現に貢献する取り組み。十勝管内にある両社の拠点を中継地点に活用し、苫埠はグループ会社の大北運輸(苫小牧市晴海町)が中継地点と釧路間を、幸楽が中継地点と苫小牧港などの道央圏間の輸送をそれぞれ担当。1月20日から今月17日までの予定で、1日1便運行し、中継地点でトレーラーのヘッドや運転手を交代している。

 苫埠は釧路で産業資材などを集荷して苫小牧へ、幸楽は札幌で飲料を集荷して釧路にそれぞれ輸送しているが、これまでは片道が空車になる「片荷」が課題だった。共同中継輸送の実用化でこの片荷の解消や、運転手の労働環境改善などの効果を期待している。

 実証実験通りに運行した場合、両社の運転手の運転時間は年間計約2400時間削減でき、二酸化炭素の排出量も約46%削減できる見通し。今回の実証実験で、輸送のスケジュール管理や各社の役割分担などを検証し、2025年度の本実施開始を目指す。

 苫埠、コカ・コーラは「協業による新たな輸送モデルの構築を通じて、人、地域、社会、環境に配慮した持続可能で高付加価値な物流ネットワークの構築を進める」としている。

 

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