国の特別天然記念物・タンチョウへの感謝を示す「タンチョウ感謝祭」(阿寒丹頂の里プロジェクト実行委員会主催)が9日、釧路市阿寒町上阿寒の阿寒国際ツルセンター(河瀬幸館長)で開かれた。タンチョウにあやかって千年の愛を誓う「タンチョウ結婚式」も行われ、関係者や市民、たくさんのタンチョウたちが夫婦を祝福した。
挙式をしたのは、釧路市で地域食堂「まなざし食堂」を運営しているNPO法人「まなざしの和」で理事長を務める島貫こずえさん(41)と、理事を務める聡哉さん(46)夫妻。2人が入籍したのは2019年10月で、18歳になる息子が上京する前に、家族の思い出をつくろうと今回初めて式を挙げた。
式には多くの市民が参列し、一面白銀のビオトープには釧路中からタンチョウが飛来して2人を見守った。聡哉さんは「妻と共に幸せな家庭を築きたい」、こずえさんは「お互い年老いても、ずっと一緒にいたい」とそれぞれ愛を誓った。
感謝祭に合わせて、阿寒町産の農産物を使った料理を販売する「阿寒地場産市場」(くしろまちづくり研究所主催)も、道の駅阿寒丹頂の里向かいのログハウス「旧赤いシャッポ」で開かれた。企画したのは釧路市地域おこし協力隊の是川佑介さん(35)で、阿寒町産の牛肉や豚肉のほか、根釧牛乳、よつ葉乳業の脱脂粉乳を使った「丹頂カレーパン」や「あかん肉まん」「ミルクしるこ」「ミルクシチュー」などを販売。今回初お披露目のメニューながら人気を博し、多くの市民が買い求めた。音別町産のシイタケのだしがきいた雑煮を味わった釧路市立光陽小2年の内館紅音さん(8)は「キノコが好きなので、シイタケが入っていておいしい」と笑顔を見せた。