苫小牧のトヨタシグナスが女子アイスホッケーのトーナメント、NOMURA2024オータムレディースカップ(9月21~23日、釧路アイスアリーナ)=道アイスホッケー連盟主催=で優勝した。注目された道内8チームのシーズン前哨戦で1回戦から決勝までの3試合通じて失点はわずかに1。堅陣速攻の戦いぶりを発揮しての栄冠達成でチームが活気づいている。
1回戦で釧路ベアーズを6―0(1―0、3―0、2―0)で下し、準決勝では高須クリニック御影グリッツを4―1(2―1、1―0、1―0)でかわした。決勝は宿命の苫小牧ダービーとなり、道路建設ペリグリンを3―0(1―0、1―0、1―0)に抑えて優勝した。文句なしでGK佐々木玲果が大会最優秀選手、3ポイントをマークし活躍したFW田邊真希が最優秀若手選手として、それぞれ表彰を受けた。
ライバルの道路建設戦では開始2分でDF志賀葵が先制点を決め、第2ピリオドのパワープレーで田邊、第3ピリオド13分にはFW山口七穂が3点目をものにする一方、2割強多かった道路建設のシュートをかわし続ける試合運び。今隆之総監督は「フォア、戻りのチェックが早く、危なくなる場面が少なかった」と振り返る。「女子日本リーグや全日本選手権に生かせる要素で、全国制覇へ最終的に勝ち切る課題の克服へつなげたい」と言う。
3戦を回顧して主将のFW佐々木愛実は「守りに入り過ぎずに果敢に攻めることができたのが良かった」と言う。本格化するシーズンへ「まずは勝ち続けるという気持ちで、チームのメンタル面を強くしていかなければならない」との抱負だ。
GKの佐々木玲果は大会通じて「先制点を与えないよう集中した」と堅守実現の要領を語った。「ゴール前のリバウンドに対処するため、DF、FWと連係を強化していく」との考えだ。
今シーズンの陣容は総勢33人。昨冬まで一線に立ってきたベテランの引退と新戦力の加入が交錯し、レギュラー争いが激化しているところだ。指導する桜井邦彦コーチは「年内、年明けに続く日本リーグ、全日本選手権で発揮できる力の維持を課題に鍛えていく」と方針を話している。