次期衆院選の自民、公明両党の道内における選挙協力の「象徴区」を巡り、自民の中村裕之衆院議員(比例代表道ブロック)が5月31日、地盤の道4区(札幌市手稲区、西区の一部、石狩市、後志管内)を公明に譲る方針を表明したことを受け、公明党道本部の佐藤英道代表(衆院議員)は1日、札幌市内で記者団の取材に応じ、「大局的な見地から大きな決断をいただいた。心から感謝したい」と述べ、公明としても受け入れる姿勢を示した。
中村氏は5月31日、札幌市内で開いた自民道4区支部と連合後援会の合同会議で道4区を公明に譲る考えを伝え、了承された。自民党本部は中村氏を次期衆院選の比例道ブロックの名簿1位で優遇する方針。
佐藤氏は、中村氏から電話で報告があったことを明かし、「中村氏からは自公連立政権は極めて重要であり、参院選前に決断すべきだったという話があった」と述べた。今後については「近日中に自民道連の武部新会長ら新執行部と公明道本部の執行部が対面による意見交換、打ち合わせを行い、選挙協力は道4区であるということをしっかり確認させていただく」と説明。その上で「両党の党内手続きについて打ち合わせを行っていきたい」と語った。
佐藤氏は「とりわけ、自民党や中村後援会の皆さんに支援していただけるよう、丁寧に手続きを進めていきたい」と述べた。
記者団から道4区での初の選挙戦について問われ、佐藤氏は「どこの選挙区にしても厳しい戦いの選挙になる」と指摘。「これまで以上、史上最高の協力関係を持たないと、勝ち得ることができない戦となる」と強調した。擁立する公明候補に関しては「小選挙区の選挙協力は4区と明確に決定した上で、候補者の擁立、選定に着手したい」とし、「自民党の皆さんにも喜んでいただけるような候補を決めていかなければならない」との決意を示した。
自公の選挙協力の「象徴区」を巡っては、2012年から道10区(空知、留萌管内)で自民が支援してきた公明の稲津久氏が昨秋の衆院選で落選し、次期衆院選での不出馬を表明。自民は当初、道3区(札幌市豊平区、清田区、白石区の一部)を新たな象徴区とする方針だったが、地元支部から強く反発を受け、撤回することを表明していた。