決勝に臨むBL東京のテーマは「自分たちらしく」。その決意通り、磨き上げてきた攻撃を見せつけた。
ボールを持てば、次々とテンポよくパスを回していった。FB松永は「攻撃で相手にプレッシャーをかけられた。ボールを動かすことを徹底できた」。相手にボールを持たれても、寄せの速い守備でミスを誘っては奪い返し、すぐに自分たちの攻撃に移った。
勝利を大きく引き寄せたのは、2点リードの後半7分。自陣スクラムから狭いサイドをSOモウンガが大きく突破し、フォローしたWTB森勇がトライ。東京ベイの堅守を見事に打ち破った。ナンバー8のリーチ主将は「アタックし続けたことが勝因」。今季リーグ最多得点の展開力で試合を支配した。
王者として臨んだ今季。松永は「勝つ文化が根付いた。どれだけ苦戦しても負ける気がしない」と感じていた。モウンガの華麗なプレーが注目されがちだが、個々の突破力や接点での強さもリーグ随一。勝ち星を積み重ねていく中で、攻撃ラグビーへの自信は増していき、決勝の大舞台でもぶれなかった。
リーグ戦1位からの優勝も、連覇もリーグワン4季目で初めて。リーチは「新しい歴史をつくれた」。実力伯仲と言われるリーグの中で、頭一つ抜けた存在になりつつある。