元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)羅臼支部(田中良支部長)は5月31日、根室管内羅臼町内で北方領土返還祈念植樹を行った。返還要求運動のシンボルであるチシマザクラを植樹。参加した約20人は北方領土早期返還を願い、額に汗を流した。
同植樹は戦後80年の節目に、四島の早期返還に向けた意志を次世代に引き継ぎ、領土問題に関心を持つきっかけにしてもらうことが目的。4月に北方領土からの引き揚げ者が多かった富山県黒部市から始まり、十勝、同管内の標津、別海の各支部で行われ、羅臼支部が最後。国後展望塔で9本、町役場に4本の計13本を植樹した。
事業の最終日となったこの日は、千島連盟の松本侑三理事長や道北方領土対策室の佐々木昭弘室長らが出席。松本理事長は「戦後80年のシンボルとして、伝えていってほしい。これからは、北方四島の素晴らしい自然や文化の記憶を、記録に変えて伝えていかなければならない」と力を込めた。
北方領土の早期返還を祈り、チシマザクラを植樹した松本理事長(左)