日本将棋連盟苫小牧支部に所属する白老東高校1年の志摩隆平さん(16)は先月、第61回全道高等学校将棋選手権大会・男子個人戦で初出場、初優勝を果たした。7月に香川県まんのう町で開かれる全国大会に北海道代表として出場する。「出るからには上位入賞を目指したい」と闘志を燃やしている。
全道大会は5月29、30の両日、札幌市で開かれ、各地から約70人が出場した。志摩さんは予選で札幌北、立命館慶祥(江別市)、札幌東など強豪校の生徒を相手に4連勝し、32人による決勝トーナメントに進出。準決勝で札幌第一の2年生、決勝で北嶺(札幌市)の3年生を破った。決勝戦では相手の「振り飛車穴熊」に対し「居飛車」で応戦。「序盤からうまく運べて最後まで落ち着いて指せた」と振り返る。
5歳の時、祖父宅にあった将棋盤に興味を持ったのがきっかけ。小学6年時には「全国小学生倉敷王将戦」で3位に入賞したこともある。中学時代はプロ棋士を目指す「奨励会」に在籍していたが、「今はプロを目指すつもりはなく、学業と両立しながら楽しむ」と話す。
白老東高校に将棋部はなく、志摩さんは月1回、同連盟苫小牧支部に通い、大人たちとの対局で腕を磨いてきた。全道大会に引率した担任の髙橋点(ともる)教諭(61)は「進学校の将棋部員たちが名を連ねる中で、白老東からの全国出場は快挙。将棋への真摯(しんし)な姿勢と集中力が結果につながった」とたたえ、全国での活躍に期待を込めた。