豪快に振り抜くと、阪神の森下は本塁打を確信したようにゆっくりと走りだした。2試合連続の一発は、入団から3年連続の2桁アーチとなる10号3ラン。「手応えも良かったし、打つ場面も良かった」。感情を爆発させた前夜とは違い、静かに喜びをかみしめた。

　三回、中野の適時打で先制し、なお2死一、二塁の場面。「積極的にスイングして、しっかり振り抜けた」。1ボールからの2球目の148キロを完璧に捉え、左翼席に突き刺した。

　長いシーズンには好不調の波が当然ある。だが森下は「調子で片付けたくない。ずっとやってきたものをぶれさせずにやっていきたい」と言い訳をしない。状態が上がらなかった5月は、安打が出なくても四球や犠飛で貢献した。

　チームは4連勝で首位をキープ。「すごくいい勝ち方ができている。もっともっと（本塁打を）打っていきたい」と森下。快勝で弾みをつけ、西武、楽天と対戦する遠征に臨む。