陸上自衛隊は8日、国内最大級の実弾演習「富士総合火力演習(総火演)」を、静岡県の東富士演習場で実施した。離島防衛を想定したシナリオで作戦を展開。反撃能力(敵基地攻撃能力)を持つ、開発中の装備品の一部も初めて展示した。
演習は敵に占領された離島を奪還する想定で行われ、敵陣を正面突破する基礎的な演習構成とした。ウクライナ戦争で展開されていることを念頭に、総火演でも旧来の塹壕(ざんごう)戦の演習を初めて実施した。
8日昼の演習では約58・8トン、約6・4億円分の弾薬を使用。中谷元防衛相も視察した。飛距離を1000キロ超に伸ばした改良型の地対艦ミサイルなど、反撃能力を持つ開発中の装備品も初めて一般公開した。
演習には隊員約2000人が参加し、防衛大や陸自富士学校などの学生ら約5400人が見学。隊員の募集につなげるため、自衛隊に興味を持つ高校生や大学生、保護者らも招待した。