増田　善信さん（ますだ・よしのぶ＝気象学者）9日午前11時33分、誤嚥（ごえん）性肺炎のため東京都内の高齢者施設で死去、101歳。京都府出身。葬儀は14日午前11時半から東京都狛江市元和泉1の13の18の泉龍寺別院で。喪主は妻敏恵（としえ）さん。

　49年に気象庁の前身の中央気象台に入り、84年の退官後、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」の降雨範囲の調査に当たった。従来の援護対象区域よりも広い範囲で雨が降ったとする図を作成し、論文を発表。援護対象区域外の住民が黒い雨を浴びて健康被害を受けたとして起こした訴訟で、原告全員を被爆者と認めた21年の広島高裁判決で降雨図は根拠の一つとして採用された。